家族の素晴らしさを実感した心温まる帰省エピソード

家族の素晴らしさを実感した心温まる帰省エピソード
今年も残すところあとわずかになりました。年末年始はご実家や故郷に帰省されるという方も多いのではないのでしょうか。離れて暮らす家族と過ごす久しぶりの時間。普段は気にも留めない家族の温かさを感じることもあるかと思います。今回は帰省にまつわる家族の心温まるお話をご紹介します。

エピソードその1: 息子が解いた家族のしこり

 ご縁あって昨年外国籍の方と国際結婚をしました。自分が外国の方と付き合って、まさか結婚をするとは全く想像もしていませんでしたが、私にはこの人以外ありえないと思い一緒になることを決めました。しかし、やはり結婚は自分たちだけの問題ではなく、両家の家族も深く関わってくることなので、双方の家族や親せきは私たちの結婚に猛反対。それでも私たちの気持ちは変わることなく、周囲の反対を押し切って結婚。以来、双方の実家とは何年も疎遠な状態が続いていました。それは息子が生まれても変わることなく3歳になる息子は祖父母の顔を知らないままでした。

私は実際はとても寂しく思い、息子にもおじいちゃんおばあちゃんに会わせられない申し訳なさを持ち続けていました。そんな中、昨年父が倒れた連絡を受け、父はそのまま帰らぬ人に。葬儀で久しぶりに再会したときには話があまりできなかったので、意を決して去年の年末に家族3人で帰省しました。

もう10年近くもろくに話をしてなかった私たち。しかし私たちのわだかまりを解いてくれたのは3歳の息子でした。葬儀で一度会ったきりの母のことを「ばあば、ばあば」と呼んですぐに懐いていました。母もこのことはとても嬉しかったようでした。そして遊び疲れて眠ってしまった息子を抱いたまま、夫を含めて3人でぽつりぽつり話をはじめました。父を失いすっかり気落ちした母は「この子をおじいちゃんに会わせてあげられなくてごめんね」と何度も言って泣きました。私も夫も、「私たちも勝手ばかりでごめんね」と謝りました。「これからたくさんこの子連れて顔出すから」と言うと、母はそっと息子を撫でながら「ありがとう」と言いました。私たちは家族なんだという気持ちが、とてもとても温かく感じられた帰省でした。

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家族にはそれぞれの形があって、それぞれの事情があります。この方のように家族と何らかの原因でしこりができてしまった場合、頭では分かっていてもなかなかそれを解くのは難しいものなのかもしれません。しかし自分が親の立場になって子どもを持つとまた思うことも変わるものです。また、子どもの純粋さや自然さが、すんなりと家族そのものの大切さや温かさを思い出させてくれた心温まるエピソードです。

エピソードその2: 受け継がれる着物

今年小学生になった娘と、久しぶりに長野県の実家に里帰りをしました。
 
帰省ラッシュの渋滞に巻き込まれ、ヘトヘトになりながら着いた次の日の朝に、実家の母が取り出してきたのは私が子どもの頃、毎年お正月に着ていた着物でした。今まで七五三のときにしか着たことがなかった着物を目にした娘は大喜びで袖を通して、おおはしゃぎ。母も私が着ていた着物を着る娘を見てなんだかとてもうれしそうでした。話を聞いてみると、これは母の母、つまり私の祖母から受け継いだ着物とのこと。私が生まれたときには祖母はすでに亡くなっていましたが、これを聞いて私はますます感慨深くなりました。

後日、家に帰ってから娘は着物を着た自分と私と母、そしてなんといないはずの祖母の4人の絵を描いた手紙を送りました。娘もその着物が代々受け継がれていることをうれしく思ったようです。母はその時に撮った写真と孫からの絵手紙を大事に飾って毎日眺めており、次また帰省する日を楽しみに待ってくれているそうです。

毎年帰省の道中は長く大変なものですが、母にとっても娘にとっても毎回良い思い出を作ることができるので私も帰省するのをいつも楽しみにしています。

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 着物を受け継ぐことで、ご本人にとってもお母様にとっても、そして娘さんにとっても家族の絆を感じられるエピソードでした。また亡きおばあ様のことを話すきっかけにもなり、親子代々の絆を思って、着物だけではなくその気持ちや思い出も一緒に受け継いでいるという素敵なお話ですね。

まとめ

2つのエピソードを紹介しました。
忙しい日々を過ごしていると、自分のことでいっぱいになってしまい、日々家族の大切さを思うことも少なくなってしまうことがあるかと思います。電話やメールという手段もありますが、普段なかなか時間が取れないという方も、年末年始など節目には元気な顔を見せ、家族との素敵な時間を過ごしてくださいね。