香典返しのマナーとして最初に覚えておきたいのは、お返しの相場です。一般的に香典返しの相場は「いただいた香典の半額程度」とされています。いただく香典の額もさまざまなので、何種類か用意する必要があります。

身内や親族など、故人と血縁関係にあった人物からは高額の香典をいただく場合もありますが、この場合は必ずしも半返しにする必要はありません。葬儀には多くの費用がかかるため、故人と近しい関係にあった方々は、ご遺族を金銭的に援助するという側面が強いのです。

相場について基本的なマナーを押さえておくことは大切ですが、何よりも感謝の気持ちを込めて香典返しをするのが重要です。

香典返しに避けたほうがいいものとは？
香典返しでは、不祝儀は残さない方が良いとされているため、使えばなくなる日用品、食べれ（飲め）ばなくなる品物などの最終的に手元に残らないものは香典返しに向いています。

ただし、肉類や魚類といった生ものや、お酒や煙草などの嗜好品、祝い事に使用されるものなどは香典返しでは避けるようにしましょう。また食品を香典返しに用意する場合には、相手のことを配慮して、できるだけ賞味期限の長いものを選ぶと良いでしょう。

香典返しでは贈る商品の金額以上に何を贈ればいいかについて悩みますよね。参列者全員の好みや習慣をすべて把握することはできないので、相手に好きなものを選んでもらえるようにとギフト券や商品券を候補に考える方もいることでしょう。実際にギフト券などを香典返しとして贈るケースも最近では見られますが、基本的には避けるべき品物です。

金額が明らかになってしまう
商品券やギフト券では贈った金額が相手に明らかになってしまうため、中にはそれを快く思わないという方もいらっしゃいます。金券以外の品物は調べなければ金額は明らかになりませんし、そうすることで贈る側の感謝の気持ちを謙虚に伝えることができます。

目上の方に贈ると失礼にあたる
商品券やギフト券は現金の代わりとして贈られるものなので、それを目上の方に贈るのは失礼にあたると考える人もいます。これは香典返しだけに限りませんが、現金をいただいたお礼として現金に代わるものを贈ることが失礼だと考えられる場合もあるため、注意が必要です。

万人に喜ばれる日用品
日用品として多く選ばれているのは「不幸を洗い流す」という意味を含む石鹸や洗剤、「不幸を拭いさる」「悲しみを多い、包み込む」などの意味を含んでいるタオル、シーツなどです。種類も多いので選びやすく、またもらうほうも実用性があり、使い勝手も良いので人気の品となっています。

ただしこういった日用品はどの家庭にもあるようなものが多いので、素材にこだわるなど工夫をすると相手もより喜んでくれるかもしれません。

種類が豊富で嬉しい！お菓子や調味料
香典返しで贈る品物は派手さのないものが望ましいとされています。その点、お茶やお菓子、調味料といったものなら種類が豊富なので香典返しに適した品物を選べたり、好みが大きく分かれることもないので年齢・性別を問わずに喜ばれます。有名店のお菓子や、ドレッシングやオリーブオイルの詰め合わせなど、もらった側が楽しめるもの、そして長持ちするものを選ぶのが重要です。

もらった人が選べるカタログギフト
カタログギフトは、香典返しを受け取る側が好きなものを選べたり、香典返しを用意する側も負担を軽減することができたりするので人気の高い品物です。金額が相手に明らかになるという問題もないので、使い勝手も良いでしょう。EXETIMEのカタログギフトの中には温泉やエステなどの非日常の体験ができるものもあります。

どんなものを贈るにしても、渡す相手に向いているもの、相手が喜んでくれるものを考えて渡したいですね。

故人を偲んでくれた方々に感謝の気持ちを伝えたいけれど、香典返しに悩んでいたという方は、

• ・香典返しの相場は、いただいた香典の半額
• ・手元に残るものや生ものは避ける
• ・できれば商品券やギフト券を香典返しに使用しない

また、ご紹介したマナーはあくまで一例です。葬儀の形式や地域によっては大きく異なる部分があるので、悩んだときは地域の慣習に詳しい方に相談するのも良いでしょう。

香典返しの熨斗（のし）
のしの付いた「のし紙」はお祝い事の贈り物に付けるものなので、香典返しなど弔事用ではのしのない「掛け紙」を付けましょう。

香典返しの水引
香典返しでは、水引が印刷された掛け紙を使うのが一般的です。
香典返しなど弔事の場合は「一度きりにしたい」という意味を込め、「黒白結びきりの水引」を用います。

香典返しの表書き
香典返しの表書き（水引の上）には、「志」と書くのが一般的です。
関西～西日本では「満中陰志」と書くこともあります。
他にも「偲び草」など、宗教や地域によって異なりますので、事前に確認しましょう。

水引の下には、「○○家」や喪家の姓を書きます。

香典返しの内のしと外のし
内のしと外のしは、どちらが正しいということはありませんが、香典返しでは、控えめな内のしのほうが一般的です。

内のし（控えめに感じる、配送に適する）
・贈り物の品の箱に直接のし紙を貼り、その上から包装紙で包む
・包装紙を開けるまで誰から何を贈られた物なのか分からない

※特に、配送する場合は、個人情報保護や配送中にのし紙が破れる恐れもあるため、内のしを選びましょう

外のし（直接手渡しする場合）
・贈り物を包装紙で包んでから、のし紙をはる
・一目で贈り物誰から何を贈られたかわかる