出産内祝いは「いただいた出産祝いのお返し」として贈ると考えている方も多いでしょう。たしかに現在の出産内祝いはお返しという意味合いが強くなっています。しかし、内祝いとはもともと「内々のお祝い」、つまり内輪のお祝いという意味で、自分たちの幸せをおすそ分けをするというものでした。なので、「内祝い」は出産以外にも結婚や入学など、喜びを分かち合うための贈り物という意味合いをもっています。

そのためお祝いをいただいていない方やこれからお世話になる人には贈れないというものではないのです。とはいえ出産内祝いはお返しでしかないと考えている人もいますので、あまり高価な物を送ると相手に気を使わせてしまいます。また、人によっては出産祝いを贈るように強いられているように感じることもあるかもしれないので、相手に負担を感じさせないように配慮することが大切です。また、本来、出産内祝いは幸せのお裾分けですので、「お返し」という言葉は使わないようにしましょう。

出産内祝い自体は出産が済んでから送るものですが、準備は妊娠中に進めておくことをおすすめします。出産内祝いを送るタイミングは出産が済んだ直後。このタイミングは慣れない育児や各種手続きなどに奔走して慌ただしくなってしまう時期です。品物を贈るだけと思うかもしれませんが、誰に何を贈るかを選ぶのは時間がかかりますし、覚えておきたいマナーもあります。遅くとも妊娠後期の妊娠7ヶ月～9ヶ月くらいを目安に、出産内祝いに何を贈るか考えたり、マナーや注意点について調べはじめたり、親戚や友人の送り先をリストアップなどといった準備を始めると、実際に出産内祝いを贈るときにスムーズに対応できるでしょう。

出産、子供の誕生という人生で最高に幸せな瞬間。その幸せを身近な人に伝えるのが出産内祝いの贈り物です。
出産内祝いは多くの人にとっては初めてなので、選ぶ基準や贈り方も悩みどころ。覚えておきたいマナーもあります。出産が無事終わり、退院した頃から出産祝いが届き始めるでしょう。出産直後は忙しくなってしまいますから、無理にすぐ準備しなくても大丈夫です。1ヶ月以内を目安にお返しできれば問題ありません。

出産内祝いを贈る時期は、産後約30日後のお宮参りの頃とされていましたが、「お祝いへのお返し」となった近年は、赤ちゃんの出産をあとで知った方もいますので、お祝いに対して、その都度お返しを贈ることが一般的になっています。

しかし、出産の前後が大変であることは、お祝いを贈ってくれる側にもわかっているので、出産直後に内祝いを贈ってしまうと、相手に心配をかけてしまうこともあります。ですので、出産直後にお祝いを頂いた方へはお宮参りの1ヶ月あたりの頃に、それ以降のお祝いには都度お返し、という感覚を知っておくとよいでしょう。

お礼をするのももちろんですが、誰から何を贈られたかメモしておくことも重要です。出産祝いをいただいたのに出産内祝いを返し忘れることがないように管理しましょう。 出産祝いをいただいたら、お礼の電話を入れると好印象ですので、電話番号も確認しておくとスムーズです。

育児で忙しく過ごしていると、贈るのが遅くなってしまった、ということもあるかもしれません。たとえ遅れたとしても出産祝いをいただいたら出産内祝いは贈りましょう。事前に電話などで遅れてしまったお詫びの言葉とともに、お礼状を添えて贈りましょう。添えるお礼状は、今ではハガキやメッセージカードも多くなってきましたが、封筒に入ったお礼状の方が丁寧です。便箋は白の無地か薄い罫線のみが入ったシンプルな物を選び、封筒は白無地封筒がよいでしょう。

出産内祝いに高価過ぎるものを贈ると気を使わせてしまいますが、かといって安すぎるものを贈るのも失礼です。目安はもらった品物の半分くらいの「半返し」を目安に考えましょう。ただし、いただいた品物が10万円以上するような高価なものであれば3分の1程度でも構いません。

また、連名でお祝いをいただいた場合、個別に出産内祝いを贈る場合は、お祝いの金額をグループの人数で割り、その金額の半分程度の品物を個別に用意します。出産内祝いをまとめて贈る場合は、分けられるお菓子やコーヒーなどを選ぶとよいでしょう。

出産内祝いの基本は、喜びを伝え、お祝いへのお礼をすること。家族や友人に贈るのであれば、あまり気をつかう必要はありません。ただし仕事関係や親戚へ贈る場合は、いくつか気をつけたいマナーや注意点があります。

熨斗（のし）、水引
出産は何度繰り返してもおめでたいことなので、何度も結び直せてほどきやすい「蝶結び」でおめでたい「紅白」の水引にしましょう。

表書き
上に「出産内祝」、下に子供の名前を書きます。子供の名前が難しい漢字や特殊な読み方をする名前の場合には、ふりがなをふりましょう。

結婚式のご祝儀で「割れる」という意味合いから2万円や4万円などの金額は避けたほうがいいというマナーがあるように、出産内祝いで贈る品物として、選ばない方が良い品物もあります。

ハンカチ
ハンカチは手巾（てぎれ）ともいいます。そのため別れを連想させることもあり、これからも付き合いを続けていく相手に贈るものではないという考え方があります。

刃物
縁を切る、といった意味があると受け取る方もいるためあまりおすすめできる品物ではありません。

くし
苦や死を連想させることから、出産などお祝いの品には選ばれないことが多い品物です。

肌着や下着
誰もが身につけている肌着や下着を贈ることは、生活に困っている相手にすることと捉えられてしまうこともあるようです。目上の方や年配の方へのギフト選びでは特に注意しましょう。

緑茶
仏事によく用いられるため、出産などの内祝いのお返しにはふさわしくないとする地域もあります。

いくつかご紹介しましたが、相手の考え方や地域によっては問題ない場合もあります。また、同様に一般的には問題ないものでもあまり良くないとされる場合もありますので、家族や親戚に確認をとり失礼のないようにしましょう。産後は赤ちゃんの世話で慌ただしかったり、体調の回復にも個人差があります。出産内祝いを準備できてなく、贈るタイミングを逃してしまった！ということがないように、余裕のあるうちに準備を始めるようにしましょう。

また、出産内祝いに何を贈ろうか悩んだ時におすすめなのはカタログギフト。カタログギフトであればせっかくのギフトが相手の喜ぶものではなかったというミスマッチを避けることができますし、選ぶ楽しさを贈ることもできますよ。